ノルマンディー 1次募集と2次募集以降の勝ち上がり率比較と実質的勝ち上がり率

例年、ノーザン系クラブが1歳馬募集を開始する時期に、3次募集・4次募集と2歳馬の募集を行う事で有名なノルマンディーオーナーズクラブですが、追加募集(2次募集~4次募集)された馬の成績はどうなのだろう?という疑問がありました。自分の出資経験でいうと追加募集で出資した馬は1次募集で出資した馬に比べて成績で大きく見劣っている印象ですが、実際にその通りの成績なのか確かめたくなりました。

そのような情報をまとめている人はいないかと調べてみたのですが、そんなニッチな情報をまとめているサイトは見つかりませんでした。「無いのなら作るしかない」というエンジニアの職業病が出てしまい、ちょっと面倒でしたが過去の募集馬の成績をまとめてみました。2022年産馬の1次募集馬リストも発表されたので、1次募集に全力で挑んだ方が良いのか、良い馬がいなければ2次募集以降に期待して見送った方が良いかのか、判断するにあたり多少なりともお役に立てるかもしれません。

年度別 勝ち上がり率

自分が入会した2016年度(2015年産)から、勝ち上がりの有無がほぼ確定している2020年度(2019年産)までの5年間の募集馬の成績をまとめました。

集計の対象は中央競馬所属予定で募集された馬に限定し、地方競馬所属予定で募集された馬は集計から除外しています。また中央競馬所属予定で募集されたものの中央競馬でのデビューが叶わず、地方競馬でデビューする事になった馬は集計に含めています。

募集馬を評価するにあたり、以下の5パターンに分類しました。
 A:中央競馬のレースで初勝利を挙げた馬。
 B:中央競馬所属時に地方交流競走で初勝利を挙げた馬。
 C:地方競馬に転出した後、中央再転入条件をクリアして中央競馬再転入した馬。(※1)
 D:地方競馬に転出した後、初勝利を挙げたものの中央競馬再転入に至らなかった馬。(※2)
 E:中央競馬、地方競馬どちらでも未勝利のままファンド解散した馬。未出走引退馬。(※3)

 ※1:中央競馬再転入条件をクリアし、中央競馬所属になったものの出走せずに引退した馬も含む。
 ※2:中央競馬再転入条件をクリアしたものの中央再転入していない馬も含む。
 ※3:オーナーが変わった後に初勝利を挙げた馬も含む。

この中で、A~Cに該当するする馬を勝ち上がり馬として集計しました。

2015年募集頭数ABCDE勝ち上がり率
1次募集馬144(28.6%)1(7.1%)1(7.1%)1(7.1%)7(50.0%)6(42.9%)
2次募集馬154(26.7%)2(13.3%)1(6.7%)0(0.0%)8(53.3%)7(46.7%)
3次募集馬70(0.0%)1(14.3%)1(14.3%)0(0.0%)5(71.4%)2(28.6%)
4次募集馬70(0.0%)0(0.0%)3(42.9%)2(28.6%)2(28.6%)3(42.9%)
TOTAL438(18.6%)4(9.3%)6(14.0%)3(7.0%)22(51.2%)18(41.9%)
2016年募集頭数ABCDE勝ち上がり率
1次募集馬226(27.3%)1(4.5%)4(18.2%)3(13.6%)8(36.4%)11(50.0%)
2次募集馬125(41.7%)0(0.0%)2(16.7%)1(8.3%)4(33.3%)7(58.3%)
3次募集馬53(60.0%)0(0.0%)1(20.0%)0(0.0%)1(20.0%)4(80.0%)
4次募集馬41(25.0%)0(0.0%)2(50.0%)0(0.0%)1(25.0%)3(75.0%)
TOTAL4315(34.9%)1(2.3%)9(20.9%)4(9.3%)14(32.6%)25(58.1%)
2017年募集頭数ABCDE勝ち上がり率
1次募集馬247(29.2%)0(0.0%)4(16.7%)4(16.7%)9(37.5%)11(45.8%)
2次募集馬94(44.4%)0(0.0%)0(0.0%)1(11.1%)4(44.4%)4(44.4%)
3次募集馬71(14.3%)2(28.6%)0(0.0%)0(0.0%)4(57.1%)3(42.9%)
4次募集馬42(50.0%)0(0.0%)1(25.0%)1(25.0%)0(0.0%)3(75.0%)
TOTAL4414(31.8%)2(4.5%)5(11.4%)6(13.6%)17(38.6%)21(47.7%)
2018年募集頭数ABCDE勝ち上がり率
1次募集馬265(19.2%)1(3.8%)7(26.9%)2(7.7%)11(42.3%)13(50.0%)
2次募集馬113(27.3%)0(0.0%)0(0.0%)2(18.2%)6(54.5%)3(27.3%)
3次募集馬80(0.0%)0(0.0%)4(50.0%)1(12.5%)3(37.5%)4(50.0%)
4次募集馬20(0.0%)1(50.0%)0(0.0%)0(0.0%)1(50.0%)1(50.0%)
TOTAL478(17.0%)2(4.3%)11(23.4%)5(10.6%)21(44.7%)21(44.7%)
2019年募集頭数ABCDE勝ち上がり率
1次募集馬2711(40.7%)2(7.4%)3(11.1%)3(11.1%)8(29.6%)16(59.3%)
2次募集馬134(30.8%)0(0.0%)5(38.5%)1(7.7%)3(23.1%)9(69.2%)
3次募集馬92(22.2%)0(0.0%)1(11.1%)3(33.3%)3(33.3%)3(33.3%)
TOTAL4917(34.7%)2(4.1%)9(18.4%)7(14.3%)14(28.6%)28(57.1%)

2018年産馬の募集は4次募集はありませんでしたが、特別募集・最終募集という形で2頭の追加募集があったので、その2頭を4次募集扱いとしています。2019年産馬は3次募集までで4次募集はありませんでした。

集計してみて最初の感想が、中央再転入馬までを勝ち上がり扱いとすると思った以上に勝ち上がり率が高いという事です。年毎の平均にすると勝ち上がり率41.9%~58.1%とノーザンファーム系列のビッグクラブにも引けをとらない成績という事がわかりました。

募集時期別 勝ち上がり率

今回の調査の本題である募集時期別でまとめると勝ち上がり率に偏りがあるのかを見てみたいと思います。

勝ち上がり率2015年産2016年産2017年産2018年産2019年産最悪最良値平均値
1次募集馬42.9%50.0%45.8%50.0%59.3%42.9%59.3%50.4%
2次募集馬46.7%58.3%44.4%27.3%69.2%27.3%69.2%50.0%
3次募集馬28.6%80.0%42.9%50.0%33.3%28.6%80.0%44.4%
4次募集馬42.9%75.0%75.0%50.0%募集無し42.9%75.0%58.8%

募集時期別でまとめると偏りが見えてきました。
平均値だけで見ると3次募集が44.4%で少し悪い程度という値になりますが、勝ち上がり率が最も悪かった年(最悪値)と最も良かった年(最良値)に目をやると、1次募集と4次募集は安定した勝ち上がり率になりましたが、2次募集と3次募集は当たり年と外れ年の差が大きい事がわかります。
特に3次募集は2015年馬は28.6%と低い勝ち上がり率でしたが、翌年の2016年産馬は80.0%と全体でも最も高い勝ち上がり率となりました。

結論

結論としては、勝ち上がりを目指して出資するのならば、安定した勝ち上がり率を出している1次募集馬または4次募集馬に出資する事をお勧めします。但し、4次募集は行われない年もある為、1次募集に全力で挑み、抽選での落選などで出資予算に余裕が出た場合に4次募集馬に申し込むというのが良いと思います。

しかし、2次募集・3次募集も時々外れ年があるというだけで、年によっては1次募集よりも勝ち上がり率が高い年もあります。ノルマンディーの1次募集は争奪戦が激しく、口数調整や抽選になる事が多いです。しかし、追加募集は募集時期が遅くなる程、出資し易くなるので相馬眼に自身があり複数口出資したいという方は、追加募集馬に積極的に出資するという戦略も良いと思います。

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