シルク2023年度募集における変更情報と考察

シルクホースクラブの4月の会報にて2023年度募集での新規入会と申込頭数に関する情報の記載がありました。
内容を簡単にまとめると以下の通り。
・新規会員はシルクファンクラブ会員を対象に500名程度を予定。(昨年の新規入会者数は約2000人)
・一次募集の出資申込は10頭を上限と設定。

既存会員にとってこれはかなり大きな変更だと思います。
この変更に関して個人的な考察をしてみました。

新規入会方法の変更

近年のシルク募集馬は1次募集で殆どの募集馬が満口となってしまい、満口にならなかった数頭は1.5次募集にまわりますが、1.5次募集も開始から数分で満口になってしまうという状態となっていました。シルクは出資実績が多い会員が優遇されるクラブである為、募集される500口の内の300口は高実績会員が確保。残り200口を抽選で奪い合うという形でしたが、5年前に最優先制度が導入されてからはアーモンドアイなどのクラブ所属馬の活躍も相まって更に状況が悪化し、実績無し&最優先無しの一般抽選ではよっぽどの不人気馬でない限りは、相当運が良くないと出資できないという状態になっていました。そんな状態にも関わらず最優先制度が導入されて以降、1次募集のキャンセル口数も増加していました。

この状況に関して既存会員からは不満の声が多数出ていました。抽選で落選した馬のキャンセルが何口も出ていたら当然の事だと思います。原因として考えられるのは、新規会員が人気馬に最優先を使用し他にも一般抽選で複数頭に応募、最優先が落選したので入会しないという悪質な入会希望者が多かった為、当選していた一般抽選分が大量にキャンセル募集に回っていたのだと思います。

今年の募集から新規入会はファンクラブ会員に限定しているというのは、この抽優落選逃げを防止する事も目的としているのではないかと考えられます。これまで新規会員は出資が確定した際は、出資金と合わせて入会金を振り込むという形でした。つまり、入会確定→費用振込という流れだったので、費用を振り込まずに入会を避けるという事ができ、クラブとしてもペナルティを与え難い状態でした。
しかし、今年は新規入会者をファンクラブ会員に限定しているので、これも変わってくるのではないかと予想しています。ファンクラブ会員は月会費を引き落としではなく、クレジットカード支払いに限定しているところに気になります。一口馬主は金融商品という扱いである為、クラブによっては以前は可能だった出資金や維持費のクレジットカード払いができなくなりましたが、入会金はこれに該当しない為、クレジットカード払いは可能です。
そこで入会に際して、以下のような処理が行われるのではないかと予想しています。

  1. 入会金前払い
    新規入会を希望した時点で入会金をクレジットカードで支払い、出資馬が確保できなかった場合は、クレジットカードの返金処理にて入会金を返金。
  2. 入会金自動支払い
    出資馬が確保できた時点で入会金をクレジットカードに請求。

新規入会を月額料金が掛かるファンクラブ会員に限定している時点で、入会の意思がある人に限定する事ができ、入会資格があったにも関わらず出資金を支払わなかった場合などは、入会金を返金しない、ファンクラブを強制退会させる、ファンクラブの再入会の制限などのペナルティも与える事ができ、ファンクラブ会員であった事からその後の個人情報の管理もできます。

昨年までと異なり、新規入会するには最低でも数ヶ月分のファンクラブ入会費用が発生する為、入会希望者は減ると思われますが、クラブとして既に十分な会員数に達している為、積極的に新規入会者を募らなくてもいいという判断なのだと思います。

出資申し込み頭数の制限

これまでのシルクの一次募集というと、出資資金に余裕があり、出資実績も数百万円あるような上級会員は一部の馬を除いて出資し放題に近い状態でした。そのような会員の方は、翌年以降の実績も見据えて出資している為、1世代で数十頭に出資という方もSNSなどで見かける事もありました。その影響で人気にならなそうな募集馬の実績枠のボーダーラインが上がり、出資実績が少ない会員は最優先制度で少なくなっている一般抽選に回され、一般抽選枠の抽選倍率が高くなるという悪循環になっていました。

それが今年度の募集では、応募できる頭数が10頭に制限される為、今まで数十頭に出資していた上級会員の出資頭数が抑えられるという事になります。実績狙いの場合、低価格帯の馬に10口出資しても詰める実績は限られてくる為、高価格帯~中価格帯の馬への出資を狙ってくるようになると思われる為、低価格帯の馬の実績のボーダーラインの低下、一般抽選倍率の低下が起こると予想できます。

私もそうですが、出資予算が限られていて中価格帯~低価格帯の馬を狙っている会員にとっては、出資状況がかなり好転するルール改正だと思います。また応募頭数制限により、数年後には上級会員の出資実績の低下が起こると思われる為、年間数頭しか出資できない会員にとっては数年間このルールを継続して貰えれば、かなり出資し易い環境に変わると考えれます。

まだ今年度募集の全ての条件が発表されたわけではないので、引き続き今年度の出資に関する情報に注目していきたいと思います。

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