シルク2020年度一次募集 予想価格の考察③

 引き続き、シルク一次募集馬の予想価格と募集価格について振り返っていきたいと思います。

予想価格と募集価格の比較表

【キタサンブラック】
シャトーブランシュ
予想価格:8万円
募集価格:8万円
差額:無し

サマーハ
予想価格:7万円
募集価格:8万円
差額:+1万円

ブラックエンブレム
予想価格:7万円
募集価格:7万円
差額:無し

ポーレン
予想価格:5万円
募集価格:4万円
差額:-1万円

スイープトウショウ
予想価格:6万円
募集価格:6万円
差額:無し

 キタサンブラックは初年度種付料が500万円だった事から、思い切って高めに予想していたのですが、ほぼ予想通りの募集価格となって驚いています。個人的には芝馬への出資を狙う時、現役時代に切れる脚が無かった種牡馬の産駒はちょっと手を出しにくいのですが、それに合致するキタサンブラックがこの金額というのは高い値付けのように思えます。この値付けをしてきたという事は、裏を返せばそれだけ産駒の出来が良いのかもしれませんが、自分としてはポーレン以外は出資を躊躇う金額です。

【キズナ】
ウルトラブレンド
予想価格:7万円
募集価格:7万円
差額:無し

アイリッシュシー
予想価格:5万円
募集価格:5.6万円
差額:+0.6万円

 キズナは初年度産駒から重賞馬が何頭も出ているので、どのような馬が募集されてるか期待していたのですが、昨年に引き続き2頭と淋しい募集頭数となってしまいました。募集価格もほぼ予想通りでしたが、ウルトラブレンドに関しては、キズナ産駒の成績を考えるとお得な金額設定だとは思いますが、これまでの産駒の傾向から体質難が心配です。キズナも現役時代に脚元に不安があった馬なので、そのリスクを考えると怖いものがあります。無事にデビューでき、馬体に問題が無ければ、確実に走ってきそうな馬ではあるので、そのリスクをどう考えるかだと思います。

【ジャスタウェイ】
ラトーナ
予想価格:6万円
募集価格:4.8万円
差額:-1.2万円

シロインジャー
予想価格:5.6万円
募集価格:4万円
差額:-1.6万円

フェイトカラー
予想価格:5万円
募集価格:4.8万円
差額:-0.2万円

アンティフォナ
予想価格:6万円
募集価格:5.6万円
差額:-0.4万円

 ジャスタウェイはここまで金額設定が低くなるとは思いませんでした。産駒デビュー直後は注目されましたが、その後が尻つぼみという状態なのが、募集価格に出てきてしまっているようです。牝馬のアンティフォナが一番高い価格設定となっていますが、ラウダシオンのNHKマイルC制覇と、アンティフォナの産駒の安定性からのものだと思います。ラウダシオンの年から人気繁殖牝馬になってしまい、出資が難しくなってしまったアンティフォナですが、今年は牝馬という事と他の募集馬の比較からそこまで人気にならない気がします。それでも1次募集で満口にはなるでしょうが、抽優を使えば出資が可能な範囲だと見ています。

【キンシャサノキセキ】
シーイズトウショウ
予想価格:3.6万円
募集価格:4万円
差額:+0.4万円

ウィルパワー
予想価格:7万円
募集価格:6万円
差額:-1万円

ボシンシェ
予想価格:5万円
募集価格:4万円
差額:-1万円

 キンシャサノキセキは全体的な価格高騰に伴い、値上がりすると予想しましたが、価格レンジとしては例年通り据え置きという感じです。ウィルパワーはインディチャンプの春秋マイルG1制覇があってのここ価格なので、割安感を感じます。

【ドレフォン】
ユキチャン
予想価格:2.8万円
募集価格:5万円
差額:+2.2万円

グローリアスデイズ
予想価格:4万円
募集価格:3.2万円
差額:-0.8万円

シャンボールフィズ
予想価格:5万円
募集価格:3.2万円
差額:-1.8万円

メリーウィドウ
予想価格:3.6万円
募集価格:3.6万円
差額:無し

 ドレフォンの価格予想は流石に当てずっぽう過ぎました。公開された価格を見ると、基本的には安めの設定も、毛色だけで人気になりそうなユキチャンは少し高めの設定にするという感じです。来年はドレフォンと同様に米国単距離ダートで活躍したマインドユアビスケッツの初年度産駒が募集されますが、最初はドレフォンと似たような価格設定になりそうですね。スピード能力があるというのは種牡馬にとって大きな武器なので、先物買いのチャレンジ枠としては手頃な価格なのではないでしょうか?

【ミッキーアイル】
パシオンルージュ
予想価格:6万円
募集価格:5万円
差額:-1万円

ミスティックリップス
予想価格:3.6万円
募集価格:3.6万円
差額:無し

エレンウィルモット
予想価格:5万円
募集価格:3.6万円
差額:-1.4万円

ワイオラ
予想価格:5万円
募集価格:3.2万円
差額:-1.8万円

ポルケテスエーニョ
予想価格:4万円
募集価格:3万円
差額:-1万円

 最後にミッキーアイルですが、まだ成否が出ていない2年目の産駒とは言え、だいぶ安い価格設定になりました。NF生産の牡馬で3.6万円からとは予想できませんでした。その割に5頭募集とは多い印象を受けました。同年デビューの他の種牡馬、ドゥラメンテ、モーリスと比較すると現役時の実績で劣るのが種付料にも出ていて、それが募集価格にも反映されています。特にモーリスとは同じマイラーという事で比較されがちですが、現役時代の戦績を見ると中距離馬寄りのマイラーのモーリスに対し、スプリンター寄りのマイラーのミッキーアイル、スピード能力で言えばモーリス以上のものがあると思います。この募集価格なら1頭抑えておいても良い気がします。

 今回で複数頭募集されている種牡馬の産駒に関する考察が終わりました。次回は1頭しか募集されていない産駒の考察で最後になります。
 これまでコメントしてきた事を振り返ると、コストパフォーマンスを重視なら、先日のセレクトセールの落札価格を踏まえて考えると、ハーツクライとドゥラメンテがCPが良い種牡馬のように思えます。あと、金額が高いのでCPが良い印象を受けませんが、ディープインパクト産駒もセールに出たらこの金額では買えない事を考えると、CPが良い部類に入るのかもしれません。安い馬で一発当てたいという場合は、ドレフォンかミッキーアイルの産駒が狙い目のような気がします。逆にロードカナロアはセレクトセールでの値崩れ感が強かったので、募集価格では割高という今回の印象が強いです。

コメント