「一口馬主をやっている」と言うと、競馬に詳しくない人には「それは何?」と聞かれます。競馬をある程度知っている人からは「儲かるの?」と聞かれます。
一口馬主とは、普通の人にとってこの程度の興味だと思います。
もちろん答えは「儲かりません」の即答。
それなら、何故続けているのか?
簡単に言うと「競馬を違う視点で楽しめるから」
もう少し細かく言うと「一口馬主ではないと味わえない楽しみ、喜び、体験ができるから」というのが理由です。
あくまで自分目線での話になりますが、毎月・毎年ある程度の金額を費やして、儲からない一口馬主を続けている理由について書いてみたいと思います。
1.楽しみ
普通に中央競馬を楽しんでいる場合は、基本的に土日の競馬開催だけが楽しみです。少し真剣に取り組んだとしても、前日の枠順確定や木曜日の出走確定、もう少し深掘りしても水曜日の想定、月曜日の特別レース登録馬を見てからでしょう。
一口馬主をやっていると、これに出資馬の定期報告が加わってきます。クラブによって異なりますが、だいたい水曜日~金曜日に出資馬の近況が更新されます。そんな週の定期的な楽しみに加え、レースに出走を予定している週の近況報告は、どんな事が書かれるか期待と不安で近況報告の更新が待ち遠しい気持ちになります。
そして、レース当日はパドック、本場馬入場、返し馬、レースと今まで何の気なしに見ていた新馬戦や未勝利戦が見違える程に楽しく感じます。そんなレースに関わる時期より1年前後前に行う、出資馬の選定に頭を悩ます事もとても楽しい作業の1つです。
2.喜び
一口馬主にとって最初の喜びは、デビューや勝利よりも遥か前の時点、出資希望馬への出資が確定した時だと思います。申し込めば出資が確定するような馬に出資した時でも、出資が確定した時は嬉しいものです。特に人気クラブの場合は、出資抽選になる事や抽選にすら参加できない場合もあります。そんな中で出資が確定した時は、出資した馬が走るか否か全くわからないのに、大喜びしてしまいます。
それ以降は、中期育成から後期育成へ移動した時、調教で坂路やトラックに初めて入った時、調教タイムが上がった時、北海道から本州の牧場に移動になった時、トレセンに初入厩した時、ゲート試験に合格した時、デビュー時期の計画が経った時など、デビュー前の段階でいくつも出資馬の成長に喜びを覚えるタイミングがあります。自分はまだ未経験ですが、稀にデビューできずに引退してしまう馬もいます。そのような馬の存在を身近(自分の加入しているクラブや友人の出資馬)で見てしまうと、自分の出資馬がデビューする時の喜びは何とも言えないものがあります。
デビュー後は、初勝利が次の喜びになりますが、いつも掲示板を外している馬が掲示板を確保した時、いつも掲示板には載るものの4~5着ばかりの馬が馬券に絡んだ時など、勝利以外にも喜びを覚えるものです。
3.体験
一口馬主クラブの入会案内などを見ると「馬の名付け親になれる」「レースに勝利した時の口取り撮影に参加できる」と書かれていると思います。自分はこのどちらも体験できていません。もちろんいつかは体験してみたいと思いますが、それ以外にも一口馬主でないと体験できないことは沢山あります。
その中でも自分が一番大きいと感じている事は、一般では見学できない牧場に訪問する事ができるという事です。馬産地である北海道の日高地方などに訪れた場合、見学させてもらえるのは種牡馬や功労馬です。牧場さんの事情もあり多くの牧場が種付けシーズンが終了した後の8月以降ではないと、見学する事ができません。
しかし、一口馬主をやっていると、デビュー前の出資馬の見学をする事ができます。クラブの近況報告では載っていない事を担当者さんや厩舎長さん、牧場長さんに直接質問したりする事ができます。後期育成専門の牧場などは、一般見学は行っていない為、一口馬主をやっていないと訪問する事はできません。
また、クラブによっては出資馬の他に、系列の牧場にいる種牡馬の見学を行える場合もあります。例えば、数多くの有名馬が繋養されている事で有名な牧場である社台スタリオンステーションは、一般では数頭の放牧見学を少し離れた位置から見学できるだけですが、系列クラブの会員だと放牧地を一頭ずつ見て回ったり、厩舎の建物内に入って見学させてもらえます。ユニオンオーナーズクラブの会員の場合は、アロースタッドで特別見学が行えます。通常は種付けシーズン終了後の8月の午後に1時間のみ厩舎の外側から見学と極めて限られた条件での見学になりますが、クラブ会員だと午前中に放牧地見学が行えます。更に通常は見学を受け付けていない種付けシーズン中も見学させて貰えます。
自分は、牧場巡りが好きでよく北海道に行きますが、一口馬主を始めてから北海道に行く頻度が上がりました。
だいぶ長くなってしまいましたが、一口馬主を続けている理由はこの3つが大きな
理由だと考えています。ぞれぞれについてもっと話したい事があるのですが、それは
今後書き綴っていきたいと思います。
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